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映画「バベットの晩餐会」 

 わたしの部屋のテレビの部屋にあるヨーロッパ風のもの 
お尻を向けている読書中の鼠はモントリオールで買った物か??
 真ん中の狐は、ロンドンの蚤の市(フリーマーケットですね)で買いました。
 あ、ついでに狐にかざっているのは、蜷川実花さんのポストカードですね。
映画「バベットの晩餐会」 _c0183801_202848100.jpg


 大変久しぶりに、ヨーロッパの映画を見て、とても幸せなsoulsleepです。
この映画、かなり前に見ていまして、「とてもいい映画だから、また忘れたころに
必ず見よう」という映画のうちの1本でした。
 1987年のデンマークの映画です。

 この映画で、とびきり極上のフランス料理がでてくるんですが、グルメ映画では
ありませんよ。(となんかに書いてありました。)

 私の言葉では、平たくなってしまいますが、

 心をこめた料理って、ほんとうに人の心を幸せにするんだなあ、ということ。
小さないさかいも、年老いたがための頑固さも、それから 何十年もの秘めた思いも、
その料理を食べることで、なんだか解決してしまうんです。

そして、最後、その料理を作ったバベットのいろいろな想いを考え、ますます 
感慨にふけってしまいます。
 長くお世話になった人に感謝して、そのお返しをするって、こういうことなのかもしれない。
そして、過去をなくして15年以上も生きていて(記憶喪失という意味ではなく、彼女は
政治的な理由で、亡命して母国に帰ることなくこの村で生きています。)
しかもパリでも有数のフランス料理店のコック長だった過去があるのに、
その栄光にしがみつくことなく、でも大事な人たちの大事な晩餐会のために、
その腕前だけを存分にふるうんです。
そして、この小さな村に住み続けることを決め、もうパリの一流レストランに戻ることは
ないと決めても尚、フランス料理を心底芸術だと、誇りを持って生きている。

 映画を見終わった後、説明の少ない映画から、私なりにいろいろ思い、上のように
解釈しました。

 私の好きなヨーロッパの映画は、静かな映画が多く、詩的で哲学、文学的です。
だから、ドラマチックな演出があるわけでも、きらびやかな派手な場面があるわけでも
ありません。でも、そういう中に、ちゃんと感じられる何かがあるのが上質の映画だと
思います。
 日本で言うと、小津安二郎のような感じでしょうかね~?

 この映画、年老いた姉妹が出てくるのですが、夜になりますと、二人でろうそくの
明かりのついたテーブルで、静かに編み物をしたり、本を読んだりするんです。
10年前に見ましたとき、この平和な静けさにあこがれましたね。私もああいう風
に心穏やかにすごしたいものだと思いました。

 それから、冒頭、若き日の姉妹もでてくるのですが、その説明が
「若いころの姉妹は美しく、花咲く果樹のようだった」とありました。
なんてすてき、「きれいでした。」ではなく、「花咲く果樹」ですよ。なんて詩的なんでしょう。

 所々くすくす笑う ユーモラスな場面もあり、なかなか面白い映画です。
静かだけど、決して重くないんです。

 この映画、11月の20~26まで TOHOシネマ浜松の「午前10時の映画祭
なんど見てもすごい50本」で、上映されるそうです。
 昨日、古いビデオで見ていたのですが、私、もう一度映画館に見に行ってしまい
そうです。 
 ヨーロッパの映画って、難しそうと思っている方。見てみたらよいと思います★






 





 
 
 
by soulsleep129 | 2010-10-03 17:41 | 映画・ドラマ・本